シグナル 関口尚
せつない青春小説ってこういう作品だと思う
大学生時代、いつもの本屋巡回時にふとあらすじが気になって購入。 関口尚さんのシグナルです。
物語は学費を稼ぐために映画館でバイトを始めた大学生の宮瀬恵介(家族思い)とそこで出会った映写技師のルカ(一歩も外へ出ることなく映写室で暮らしている)の二人の物語です。なぜ彼女は閉じこもったままなのかという疑問から始まり、「過去について質問してはいけない」「月曜日になると神経質になるから、なるべくそっとしておくこと」「恋愛は御法度」というルカに対する三つの不可解な約束に戸惑いながらも、恵介が固く閉ざされたルカの心と向き合い互いに惹かれあっていきます。
最後はどうなるか予想できないこともない展開でしたが、読み終わった後味が良い作品でした。自分にも心に残る胸打つ青春がほしかった。